嗚呼、素晴らしきこの世界

 

2021年8月26日

 

私は京都のバンド「The Slumbers」(以下 スランバーズ)のライブを見に、京都のライブハウス磔磔に来ていた

 

京都でバンドをやっていたり、音楽を愛している人なら誰もが"憧れ"のライブハウスであろうこの場所でのスランバーズ初ライブを、見ない選択肢などなかった

磔磔には何度も来ているはずなのに、いつものライブハウス、という感じが全くせず毎回緊張してしまうのだが、照明が暗くなり、客席の後ろにある古びた階段から降りてくる彼らを目撃し、緊張と、これから起こる事へのわくわくが頂点へ達した

 

彼らはステージ上からゆっくりと客席を見渡し、はじまりの曲を奏でた

ボーカルの智則さんはMCと共に少し泣いていたと思う

ひとつの夢が叶う瞬間を見て、わたしも泣いてしまった

最近は人から夢のお裾分けをもらうことが多くて、その場にいれることが幸せだったりするのだけど、まさにそうだった

 

鳴るべくして鳴る音を、その場にいるべき人が鳴らしていて、スランバーズに未来を見せてもらった

 

唯一の心残りといえばせっかくの磔磔のステージが涙でにじんであまり見れなかったことかな

 

あこがれのあの場所で聞いた「さらば、憧れ」を忘れる日は来ないだろう

 

https://music.apple.com/jp/album/%E3%81%95%E3%82%89%E3%81%B0-%E6%86%A7%E3%82%8C/1528168291?i=1528168753

 

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という記事を書くためのメモを残し、この日から約半年以上の月日が経ってしまった

今日は4月1日、たくさんの別れや出会い、不安と期待が入り混じるなんともいえない時期である

 

なぜあの日から半年以上、スランバーズについてのブログが書けなかったのか、自分でもよくわからなかった

自分の書く文章に大きな影響力や何かを左右させる力があるとは思わないが、書いてしまうと、あの日が終わってしまうと思ったんだと思う、わたしはあの日の感動を終わらせたくなかった、完結させて過去のものにしてしまいたくなかったのだ

 

ただ、やはり書かねば、と思わせてくれたのもまたスランバーズがきっかけである

 

3月23日、半年ぶりに彼らのライブへと足を運んだ

そこは"いつもの"ライブハウス、京都グローリー

ここでの思い出のほとんどはスランバーズと共にあると思う

 

わたしは久々に彼らに会える緊張もあったが、なんだか勝手に気まずさを抱えていた

 

なぜならあの日、磔磔でのライブを見た直後、わたしはボーカルの智則さんに直接「今日のこと、文章に書いて残してもいいですか?」と聞いておいて

後日、ぜひ書いてほしい、わたしの文章が読みたいとわざわざ連絡をくれたのにも関わらずわたしは書けなかったから

 

このことについていつ謝ろうかと考えながらも、スランバーズのライブは始まった

 

ライブハウスの空気が変わり、鳴らす音楽でその場を支配していく、圧巻だった

 

あの日よりも、確実にパワーアップしていた

 

その瞬間わたしはなんだか不安に思っていたことが馬鹿馬鹿しく思えてきて、彼らの作る空間に身を委ねていた

 

なぜあの日、磔磔でのライブの日の感想が文字に起こせなかったのか、このライブがゴールだろうとどこかで思ってしまっていたからかもしれない

 

でも全くそんなことはなかった、彼らはライブを重ねるごとにベストを更新し続けている

 

この日は自前の機材を最大限に揃え、音がかなり良かったらしいが、もちろんわたしは機材のことなんて全くもってわからないので、この感動はそういうことではない

明らかにレベルが違うということが素人でもわかってしまったのが一番の証拠なんじゃないかと思う

 

「嗚呼、素晴らしきこの世界」という曲を聞いた時、初めての感情を抱いた、あの日からでもやはり世界は変わっている

反戦ソングは、その"戦"が身近にないと意味に気づかないのかと悲しいことを考えたりした、この曲が存在する意味はなんなんだろう、彼らはどんな気持ちで演奏しているんだろう、わたしはこの気持ちを誰に届ければいいんだろう

 

https://youtu.be/e-9qk2g6lvw

 

同世代にスランバーズというバンドがいて良かったと心から思った、この出会いは明らかに財産だ

彼らの目に映っているのは、わたしたち1人ひとりの心だと思う、平等に届くべき人の元に届く

 

ライブ後、彼らとひさびさにお話ができて、ほんとうに楽しかった、決して馴れ馴れしいわけではなく、仲間として迎え入れてもらえている気がして心地がいい

 

そういえば、とあの日わたしが書けなかったことについて話が始まった、忘れてるわけでも書きたくない訳でもないけど、なんでだろう、あまりにいい日だったから終わらせたくなくて、わたしの文章なんかで締めくくるのにはあまりにももったいないと思った、想いが強すぎると動けなくなってしまうという旨を伝えた

 

それでも「読みたい」と言ってくれた

 

わたしはもうその時、スランバーズに終わりも限界もないことに改めて気付かされてしまっていたから絶対に書かないとと決心していた

 

お待たせしてほんとうにごめんなさい、そして待っていてくれてほんとうにありがとう

結局誰に向ける文章でもなく、自分のためだけのものになってしまったけど、スランバーズの凄さを再確認させられました

あの日、MCで話していたこと、わたしはわたしで生きていてあなたはあなたで生きていること、もらった夢のお裾分けは大切に心にしまっておきます

 

春、わたしもほんの少しだけ環境が変わりそわそわしているような毎日、スランバーズに会いに京都へ行きたいなと思う

 

これは、愛を知らないわたしからの、最大級のラブレターだ

 

 

Twitter: @The_Slumbers 

Instagram: the_slumbers_official

 

https://linkco.re/9NtVB9eq?lang=ja